JR北海道とHAPの新構想

JR北海道とHAPの新構想

2021年1月4日 0 投稿者: Daisuke

こんにちはDaisukeです!!

今回はJR北海道とHAP(北海道エアポート)との間で

新千歳空港と旭川を直通で結ぶ列車の構想

が浮上しています。

新千歳空港にて

この構想は旭川と新千歳空港を札幌を経由せず、追分を経由して新千歳空港に向かうルートになり、特急列車として運行した場合の所要時間は1時間30分程とされています。

この構想はHAPによる旭川空港の施設改装などが本格化してくる2025年以降に開設する予定とのことで、HAPはこれと同時に国内・国際線の誘致を進める予定とのことです。

現在、旭川と新千歳空港を結ぶ手段として高速バスと札幌での乗り継ぎによる移動の2パターンがあり、

高速バス:「たいせつライナー」が所要時間3時間(1日4往復※コロナにより現状2往復)

鉄道(札幌経由):旭川〜札幌「カムイ」「ライラック」、札幌〜新千歳空港間「快速エアポート」の札幌駅での乗り換えでの所要時間2時間20分(最短)

特急「ライラック号」旭川駅にて
快速「エアポート」白石駅にて

※参考:鉄道経由(追分経由):旭川〜岩見沢「カムイ」「ライラック」、岩見沢〜新千歳空港間普通列車の場合→2時間43分(ライラック10号で新千歳空港に行く場合の待ち時間を含めた時間)で乗り換え3回と実用性はほぼなし

室蘭本線普通列車 岩見沢駅にて

なお、過去には札幌経由の直通特急列車(札幌〜新千歳空港間は快速エアポート)が2時間弱で運行していました。(2016年に廃止)

旭川空港は横風が少ないなどの理由から就航率が99%台と安定した運行をしており、新千歳空港が自然災害により機能不全になった際の代替空港として機能させることも視野に入れているとのことです。(なお現在の旭川空港は羽田便のみの運行で使用用途が限られていることもあり今後の就航都市誘致を進める予定)

・懸念点

1.需要の有無

2.自然災害について

3.走行経路について

1.需要の有無

現在旭川から新千歳空港まで高速バスは運行されているものの、JRでは2016年に札幌経由の直通列車が廃止されています。

また新千歳空港は駅から直結しており、多数の地域や国から就航しているため利便性がありますが、旭川空港は駅からシャトルバスに乗り換える必要(所要時間40分程)があり、就航地域も現状は東京の羽田空港のみとなっています。

これらのことを踏まえると、まずJRでは需要減による直通列車の廃止されていること、空港が東京のみに運行していることもあり需要は少ないかと思われますが、現状高速バスが旭川駅からではあるものの新千歳空港へ直通していたり、海外観光客が札幌経由で新千歳空港へ移動する観光客もいるため需要自体はゼロではないが分散すると思われます。

2.自然災害について

自然災害については、新千歳空港が自然災害で機能不能となった場合、そもそも鉄道が運行できるのかどうか微妙なところであり、新構想の運行経路を考えると現在の経路よりさらに内陸を走ることとなるため、冬季はさらに運行が難しくなるのではと思われます。

3.走行経路について

新構想の走行経路は旭川→(函館本線)→岩見沢→(室蘭本線)→追分→(石勝線)→南千歳→(空港線)→新千歳空港という経路になります。

一番運行の支障になるのが岩見沢〜追分間の室蘭本線の区間で、この区間は現在最高速度85km/hとなっており、一部の区間を除き単線の路線で普通列車が7往復と貨物列車が運行していることから高速での運転ができず、運行するにしても線路設備などを改修する必要があるため実現するにしても相当な経費が必要になると思います。

また、南千歳でスイッチバックが必要になるためそれに掛かる時間も踏まえると多少所要時間は延びる可能性もあるかと思います。(過去運行していた直通列車も札幌駅でスイッチバックしていました)

結論として、現状で見ると高速バスが同じ区間で運行されていることや需要減による直通列車の廃止や将来的には新幹線の札幌延伸に伴う航空機との需要の分散が起こる可能性もあり需要はそこまで上がらないのではないかと思われます。

もし旭川空港に他の国内線や国際線の誘致され、さまざまな路線が就航した際に新千歳空港と差別化ができればもしかしたら空港需要の分散により空港間連絡列車の需要が増える可能性も考えられます。

個人的には室蘭本線の岩見沢〜追分間で走る特急を見てみたいですが、運行開始したとしても運行本数は少ないと思われます。まだ公式の発表ではなく先の話ですので今後進展があれば情報が出てくるかと思いますので今後の情報に期待です。

以上、ご覧いただき有り難うございました。

それではまた次回お会いしましょう!!